初めてのビッド
 トランスファー


トランスファーを使うと、いろいろと便利なことができます。

 パートナーが1NTまたは2NTでオープンしたとき使う

 トランスファーは、パートナーが1NTまたは2NTでオープンした後にだけ使う、特別なコンベンションです。ステイマンと同時に使います。

 メジャーを5枚以上持っているとき使う

 トランスファーを使うと、メジャーの枚数(5枚か、6枚以上か)と、サインオフ、インビテーション、ゲームフォーシングの強さを的確に示せるよう になります。
 とくにメジャー5枚のインビテーションハンドの扱いが非常に明確になります。

 2D、2Hがトランスファー

 1NTオープンの後の 2D、 2H、2S をサインオ フにしないで、

 レスポンダーの2Dは、Hを5枚保証し、1NTオープナーに強制的に2Hをビッドさせることに取り決め ます。

 同様にHは、Sを5枚保証し、1NTオープナーに強制的にSをビッドさせます

 レスポンダーのビッドしたいスートを、オープナーのほうに強制的に言わせるので、トランスファー (transfer=移す)といいます。
 2NTオープンのあとは、3D、 3H がそれぞれ 3H、3S へのトランスファーです。 

 トランスファーを使うようにすると、必ずNTオープナーがディクレアラーになり、絵札の多い手がオープニングリードを受けるの で有利です。

 ジャコビーとテキサス

 1NTにすぐ4H、 4Sを ビッドするかわりに、4D、 4Hで4H、 4S  にトランスファーすれば、強い1NTオープナーがディクレアラーになり有利です。
 このD、4Hの トランスファーをテキサストランスファーといいます。

 これに対し、普通のD、2Hの トランスファーをジャコビートランスファーといいます。

 トランスファーのあとは

 レスポンダーはサインオフ の手では、トランスファーしたあとパスします。

 インビテーションの手で は、トランスファーしたあと2NT(5枚ちょうど)か、3H、 3S(6 枚以上)にレイズします。

 ゲームフォーシングの手で は、トランスファーしたあと3NT(5枚ちょうど)か、4H、 4S(6 枚以上)にレイズします。

 このように、レスポンダーが非常に明確にハンドを表現できるので、あとは、オープナーはレスポンダーの指示に従って、コントラクトを選択します。

 ステイマンと絡んで

 トランスファーを使えば、メジャー5枚以上のインビテーションハンドを、わざわざステイマン経由で表現する必要はありません。

 したがって、「ステイマンを使っ た=必ずちょうど4枚のメジャースーツがある」が成り立ちます。

 また、トランスファーや、ステイ マン後のマイナースーツのビッドはゲームフォーシングに取り決めておくほうが、スラムトライしたい手などで、ビッドに困りません。


 マイナーのサインオフがで きない

 2Dが 2Hへのトランスファーになるので、2Dでビッドを終わりにすることはできません。ま たステイマン経由で3Cを ビッドしても、サインオフにはなりません(GF)。

 ですから、マイナーの長い弱い手 では、1NTをパスするほかありません。


 メジャー2スーターの手では

 片方のメジャーにトランスファー してから、もう一方のメジャーをビッドするのは、メジャー5−5を意味します。

 2D−2H;2S と、2H−2S;3H の2通りがあり ますが、低く終わる前者をゲームフォーシング、後者をインビテーションにするのがおすすめです。

 5−4メジャーの手はステイマン から入り、2Dレスポンスには、2の代(インビテーション) または3の代(GF)で、5枚のスートをビッドします。

<1NTオープンへのレスポンスのしかた>        トランスファーを使う場合

レスポンダーのHCP コントラクトのめど 4枚以上のメジャーなし 6枚のメジャーがある 5枚のメジャーがある 4枚のメジャーがある
7点以下 ゲームは無理 パス
D、2H トランスファー
→ パス
D、4H トランスファー
→ パス
 2D、2H トランスファー
→ パス

パス
 8・9点 ゲームインビテーション 2NT ・ 2D、2H トランスファー

→ H、 3Sにレイズ(INV、オープナーはパスか4メジャーを選択)

・ 4D、4H トランスファー
→ パス
・ 2D、2H トランスファー

→ 2NT(INV、オープナーは、パス、3メジャー、3NT,4メジャーから選択)

H−2S;3H (5−5メジャー INV)
C ステイマン

→ フィット(4−4)すれば3H、 3S にレイズ

→ フィットしなければ2NT

→ 5−4メジャーの手では、2D に5枚のメジャーを2の代でビッド

10−14点 ゲーム確実 ・ 3NT

・ 3C、 3D
 (5枚以上、GF)
D、2H トランスファー

H、 4Sにレイズ(マイルドスラムトライ)
→ または、4枚のサイドスーツをビッド(GF)
・ 2D、2H トランスファー

→ 3NT(GF、オープナーはパスか4メジャーを選択)
または、4枚のサイドスーツをビッド(GF)

D−2H;2S (5−5メジャー GF)
C ステイマン

→ フィットすれば4H、4Sにレイズ、または4枚のサイドスートをビッド(GF)

→ フィットしなけれ ば3NT

→ 5−4メジャーの手では、2D に5枚のメジャーを3の代でビッド(GF)
5点以上 スラムを狙う ・ 4NT〜7NT

・ 3C、 3D
 (5枚以上、GF)
D、 2H トランスファー

5〜7H、 5〜7Sにレイズ
→ または、4枚のサ イドスーツをビッド(GF)

・ 4D、4H トランスファー
→ 4NT(Aアスキング)



D、2H トランスファー

→ 4NT〜7NT 
または、4枚のサイドスーツをビッド(GF)
C ステイマン

→ フィットすれば5〜7H、 5〜7Sに レイズ、または4枚のサイドスーツ をビッド(GF)

→ フィットしなければ4NT〜7NT

→ 5−4メジャーの手では、2D に5枚のメジャーを3の代でビッド(GF)
  






<1NTオープナーのリビッドのしかた>
       トランスファーを 使う場合

レスポンダーのビッド パスしてよいかどうか パートナーの手 リビッドのしかた その後
C
(ステイマン)
アスキング
ビッド
・ 8点以上
・ 必ず4枚ちょうどのメジャーがある
・ 4枚あるメジャースートを2の代でビッド

・ メジャーがないときは2D

・ 両方あるときは2H
・ 2C−2*;2NTH/S4枚 INV)
・ 2C−2*;3NTH/S4枚 GF)

・ 2C−2D;2H/2SH5-S4/H4-S INV)

・ 2C−2D;3H/3SH5-S4/H4-S GF)

・ 2C−2H;3HH4枚 INV
・ 2
C−2H;4HH4枚 サインオフ
・ 2C−2S;3SS4枚 INV
・ 2C−2S;4SS4枚 サインオフ

・ 2C−2HS、3C、3DH4枚 GF以上
・ 2
C−2SC、3D、3HS4枚 GF以上

D トランスファー ・ 点数不明
H5 枚以上
H (絶対に) ・ 2D−2H;2NTH5枚 INV)
・ 2D−2H3NT (H5枚 GF)
・ 2D−2HC、3D (H5枚 GF〜)
・ 2D−2H4NT〜6NT (H5枚 スラムトライ〜)

・ 2D−2HH (H6枚 INV
・ 2D−2H;4H (H6枚 マイルドスラムトライ

・ 2D−2H;2SH5-S5 GF)
H トランスファー ・ 点数不明
S5枚以上
S (絶対に) ・ 2H−2S2NTS5枚 INV)
・ 2
H−2S3NTS5枚 GF
・ 2
H−2SC、3D (S5枚 GF〜)
H−2S4NT〜6NT (S5枚 スラムトライ〜)

・ 2H−2SS S6枚 INV)
・ 2H−2S;4S S6枚 マイルドスラムトライ)

・ 2H−2SHH5-S INV)
2NT インビテーション ・ 8-9点
・ 4枚以上のメジャーなし
16-17点ではパス、
17-18点では3NT
C、 3D スラムトライ ・ 12点以上
・ 5枚以上
・ サポート3枚以上あれば、Aのスートをビッ ド

・ それ以外は3NT


3NT サインオフ ・ 10−14点
・ 4枚以上のメジャーなし
パス
D トランスファー ・ 9点以下
H6 枚以上
H (絶対に) D−4H;4NT (H6枚、Aアスキング
H トランスファー ・ 9点以下
S6 枚以上
S (絶対に) H−4S;4NT (S6枚、Aアスキング
4NT スラムインビテーション ・ 15−16点
・ 4枚以上のメジャーなし
16点はパス
17点は5NT
18点は6NT
5NT グランドスラムフォース ・ 19−20点
・ 4枚以上のメジャーなし
16-17点は6NT
17-18点は7NT
6NT サインオフ ・ 17-18点
・ 4枚以上のメジャーなし
パス
7NT サインオフ ・ 21点以上
・ 4枚以上のメジャーなし
パス

 


ブリッジ教室に戻る

「ブリッジって何?」扉ページに戻る