初めてのビッド 　テイクアウトダブル（１）

ペナルティの意味ではないダブル、テイクアウトダブルについて説明します。

　もっともよくあるのは、１の代のスートオープンのすぐ後でのダブルです。何かビッドしたい が、オーバーコールできるようなよいスートがないときにダブル をかけ、パートナーにスートを選んでもらいます。
 

Ｋ10９５ ４ ＡＪ９７ ＫＱ８５

右のオポーネントの１Ｈオープンに対して、ダブル （その他のオープンに対してはパス）

　パートナーがテイクアウトダブルをかけたときは、スートを選んで欲しいという意味なので、、自分の手がどんなに弱くてもパスしてはいけません。

　テイクアウトダブルでもパートナーを含めた続く３人がパスすれば、本来のペナルティダブルと して成立してしまい、オポーネントのダブル付きのコントラクト（１ ダブルなど）をディフェンスして落とさなくてはならなくなります。

　テイクアウトダブルになる例、ならない例

　次のようなビッドの流れのとき、ダブルはテイクアウトダブルとするのが非常に一般的です。

テイクアウトダブルになる例：

ＬＨＯ　パートナー　ＲＨＯ　　あなた   １ 　　ダブル	スートオープンのすぐ後でダブル
ＬＨＯ　パートナー　ＲＨＯ　　あなた 　　　　　　　　　　 １ 　　 パス   １ 　　ダブル	１の代のスートレスポンスのすぐ後でダブル
ＬＨＯ　パートナー　ＲＨＯ　　あなた 　　　　　　　　　　 １ 　　 パス   ２ 　　ダブル	レスポンダーのレイズのすぐ後でダブル
ＬＨＯ　パートナー　ＲＨＯ　　あなた 　　　　　　　　　　 １ 　　 パス   パス　　ダブル	スートオープンのあとパスが２回続いた後でのダブル
ＬＨＯ　パートナー　ＲＨＯ　　あなた 　　　　　　　　　　 １ 　　 パス   ２ 　　パス　　　　パス　　ダブル	レスポンダーのレイズのあとパスが２回続いた後でのダブル

　一方、次のようなビッドのときは、ダブルは本来のペナルティダブルです。

ペナルティダブルになる例：

ＬＨＯ　パートナー　ＲＨＯ　　あなた １ＮＴ　　ダブル	ＮＴオープンのすぐ後でのダブル
ＬＨＯ　パートナー　ＲＨＯ　　あなた 　　　　　　　　　　１ＮＴ　　 パス   パス　　ダブル	ＮＴオープンのあとパスが２回続いた後のダブル
ＬＨＯ　パートナー　ＲＨＯ　　あなた 　　　　　　　　　　　　　　　 １   ２ 　　ダブル	味方がオープンした後のオポーネントのビッドに対するダブル　（ただし、ネガティブダブルの取り決めがある場合はテイ クアウト）
ＬＨＯ　パートナー　ＲＨＯ　　あなた 　　　　　　　　　　 １ 　　 １ １ＮＴ　　ダブル	味方がオーバーコールした後のオポーネントのビッドに対するダブル

　テイクアウトダブルをかける手の条件

　パートナーに無理やりビッドさせるのですからオープンできるくらいの強さ（ＨＣＰ１２点）が必要 です。
　またハンドの形は、オポーネントのビッドしたスートは短く、他のスートはど れも３枚以上あることが条件です。
 

Ｋ10９５ ７４ ＡＪ９ ＫＱ８５

ＬＨＯ　パートナー　ＲＨＯ　　あなた 　　　　　　　　　　　１ 　　ダブル　 （１ 以外のオープンに対してはパス）

　オポーネントが２つスートをビッドしている場合は、残りの２つのスートを最低５枚と４枚、できれば５枚ずつ以上持っている手でテイクアウトダブル をかけます。
 

７５ ＡＪ10４３ Ｊ９ ＫＱ８７

ＬＨＯ　パートナー　ＲＨＯ　　あなた  １ 　　パス　　　　１ 　　ダブル

　パートナーがテイクアウトダブルをかけたとき

　左のオポーネントがオープンしてすぐパートナーがダブルをかけた、または１の代のレスポンスにすぐダブルをかけたとき、これはテイクアウトダブル です。パートナーはあなたにスートを選んで欲しいと言っているのです。

　テイクアウトダブルの後右のオポーネントがパスした場合、絶対にパスしてはいけません 。（パスするとダブルのコントラクトが成立して、オポーネントがこれをメイクしたときボーナス点を与えてしまいます。）

　まだビッドされていないスートの中で自分の一番枚数の多いスートをビッドし ます。８−１０ＨＣＰあってオポーネントのスートが多いときには１ＮＴをビッドします。
 

Ｊ７６ Ｑ８６５ ７ Ｊ10９７４

ＬＨＯ　パートナー　ＲＨＯ　　あなた  １ 　　ダブル　  パス　　　２

　右のオポーネントが何かビッドした場合は、もうペナルティダブルとして成立する危険はないの でパスして構いません 。

　ただ、５枚以上のスートがあったり、４枚のメジャースートがあって競り勝てそうなときはビッドします。
　
　オポーネントのビッドしたスートが長い場合、そのスート内容がよく（特に１０９８などを持っていることが大事）確実にダウンさせられると思った場合だけ パスします（ペナルティパス）。
 

Ｊ７ ＱＪ10８７２ ７ Ｋ９７３

ＬＨＯ　パートナー　ＲＨＯ　　あなた  １ 　　ダブル　   パス　 　  パス！

　まとめ　

＜テイクアウトダブル＞

ダブルの種類	ハンドの条件
スートオープンに対するダブル ＬＨＯ　パートナー　ＲＨＯ　　あなた   １ 　　ダブル	・　オポーネントのスート以外の３つのスートがどれも３枚以上 ・　オポーネントスートが短い ・　オープンできる強さ（１２点以上）
レイズに対するダブル ＬＨＯ　パートナー　ＲＨＯ　　あなた 　　　　　　　　　　 １ 　　 パス   ２ 　　ダブル	・　オポーネントのスート以外の３つのスートがどれも３枚以上 ・　オポーネントスートが短い ・　１２〜１５点以上（状況による）
１の代のスートレスポンスに対するダブル ＬＨＯ　パートナー　ＲＨＯ　　あなた 　　　　　　　　　　 １ 　　 パス   １ 　　ダブル	・　オポーネントのビッドしていない２つのスートが５−４または５−５以上 ・　オポーネントのビッドした２つのスートが両方短い ・　オープンできる強さ（１２点以上）

＜パートナーがテイクアウトダブルをしたら＞

ダブル前の状況	ダブル後の状況	ビッドのしかた
オポーネントのビッドしたスートは1つ	右のオポーネントが パスした ＬＨＯ　パートナー　ＲＨＯ　　あなた  １ 　　ダブル　  　パス　　　？	絶対にパスしない。 オポーネントのビッドしていない４枚以上のスートまたは１ＮＴ（ＨＣＰ８点程度必要）を選ぶ。 （オポーネントスートが５枚以上あり、そのコントラクトをダウンさせる見込みのあるときだけパス）
	右 のオポーネントが何かビッドした ＬＨＯ　パートナー　ＲＨＯ　　あなた  １ 　　ダブル　   １ＮＴ　 　  ？	パスしてよい。 特に紹介したいスートがあればビッド。
オポーネントのビッドしたスートは２つ	右のオポーネントが パスした ＬＨＯ　パートナー　ＲＨＯ　　あなた 　　　　　　　　　　 １　　　　  パス   ２ 　　ダブル　 　パス　　　？	絶対にパスしない。 オポーネントのビッドしていない３枚以上のスートまたは１ＮＴ（ＨＣＰ８点程度必要）を選ぶ。 （オポーネントスートが５枚以上あり、そのコントラクトをダウンさせる見込みのあるときだけパス）
	右のオポーネントが 何かビッドした ＬＨＯ　パートナー　ＲＨＯ　　あなた 　　　　　　　　　　 １　　　　　パス   ２ 　　ダブル　　  ２　　   ？	パスしてよい。 特に紹介したいスートがあればビッド。

例題　
４
Ｋ９５
ＫＪ10９４
Ｊ10６３

このハンドをもっていて、次のオークションのとき何とビッドしますか？（答えはＡの後にあります。）
 

Ｑ１ ＬＨＯ　パートナー ＲＨＯ   あなた １ 　　　ダブル　　パス　　？ Ａ　２Ｄ 　（１Ｈダブルになっては困るのでパスできません）	Ｑ２ ＬＨＯ　パートナー ＲＨＯ   あなた １ＮＴ　　ダブル　　パス　　 ？ Ａ　パス 　（パートナーのダブルはペナルティダブルです。パートナーは１ＮＴオープンするくらいの強い手で、ダブル付きの1ＮＴをディフェンスして落としたいと 言っています。ＲＨＯはほとんど０点の手に違いありません。）
Ｑ３ ＬＨＯ　パートナー ＲＨＯ  あなた 　　　　　　　　　　１ 　　パス   パス　　ダブル　　パス　 　？ Ａ　２Ｄ 　（テイクアウトダブルです）	Ｑ４ ＬＨＯ　パートナー ＲＨＯ  あなた 　１ 　　ダブル　 １ 　　　？ Ａ　２Ｄ 　（パスして構わない状況ですがこのくらいのよいスートならビッドして大丈夫。パートナーには必ず３枚以上のサポートがあります。）

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