カウン ティング

　　見えないカードを頭に思い描きながらプレイするから、ブリッジって楽しいんですよ。

 　　ブリッジのプロプレイヤーは、最初の２，３トリックで、全員の手がほとんど読めてしま うようです。そこまでとはいきませんが、行き当たりばったりのプレイよりは、オポーネントの手を予測しながらのブリッジのほうが、楽しいと思いませんか？

１．今ではなく「もとの」ハンドを予想する
　例えば、切り札狩りをしていて、もう切り札は残ってい ないかな？と考えるとき、いつもどのようにしていますか？　

（A)は、　いつも自分の切り札を１、２枚余計に使ってしまうので、もった いないです。
（B)は、　「８，９，１０、１１，１２。ああ、まだ１枚残って いるわね。もう１回」という方法。数えないよりいいのですが、非常に疲れるやりかた。
　　どちらも、今どうなっている？と考える方法で、これだとブリッジは上達しません。今、これらの方法でやっている方は、ぜひ、次のおすすめの方法に 転換するように頑張ってみてください。

（C)のポイントは、今何枚？ではなく、「もともと」何枚？と考えること。この方法なら、１枚出すたびに数 を数 えなおす必要もありませんし、１０を超える足し算になることもありません。その予想があっているか どうか、プレイしていくうちにわかります。それをもとに、次の プレイを考える、という具合です。簡単なので、ぜひこれを練習してみましょう。

 ２．ブレイクを考える
　　まずは、スーツコントラ クトでは切り札スート、ノートランプなら、オープニングリードのスートだけにしぼって、正確に枚数の予想をたて、それをプレイ中に確認する習慣をつけるこ とから始めましょう。

　　あなたは４Ｓのディクレアラーです。切り札狩りを何回したらよいでしょうか？
よい方法は、見えないカードが２人 にどう分かれているか、つまり「ブレイク」を考えます。

この場合、１３−８＝５　なので、ブレイクは、３−２、４−１、５−０　の３種類です。

　　切り札を出してみると、１回目、２回目は両方フォローしました。
これをみて、４−１、５−０ではなかったことがわかりますね。つまりスペードはもともと３−２ブレイクですから、両 側が２枚ずつフォローした今は、まだあらわれていないスペードが１枚だけある、とわかるのです。

　そこで、３巡目スペードをまわすと、予想通り、左側がフォローし、右側は持っていませんでした。４回目の切り札狩りは必要ないことも わかるし、頭の中には、スペードが３枚―２枚に分かれていた、というイメージが残るでしょう。

３．ディフェンダーもカウントしよう
　　ディフェンダーも、同じようにカウンティングができます。自分３枚、ダミー４枚なら、１３−７＝６となり、残り６枚がディクレア ラーとパートナーにわかれていて、ブレイクは、６−０、５− １、４−２、３−３　の４種類というふうに考えます。　　　

　　切り札スートなら、ビッドからディクレアラーの枚数の予想がつくことも多いですし、逆に、パートナーが切り札をフォローしなかった ら、パートナーの切 り札の枚数がわかります。パートナーがオープニングリードしたスートであれば、リードの約束（フォースベストなど）も予想をする上で参考になりますよ。

　　特定のスートに着目して、各プレイヤーのハンドを予想しながらプレイする練習をしてみましょう。
　　１３トリックのプレイが終わったら、切り札スート、または、ノートランプならオープニングリードのスートが各プレイヤーに、もともと何枚ずつ分かれて いたのか、紙に書き出してみ ましょう。

のように、カードをすべて「ｘ」で書きます。枚数だけあっていればOKとします。

４つを足して１３になる数の組み合わせ
　　何のことかわかりますか？
　　「１つのハンド にある４スーツの枚数」または「１つのスー トが４人のプレイヤーに分かれている分かれ方」です。
　　どちらも、ブリッジ用語でディストリビューション（分布、通 称ディストリ）と呼び、４４３２などと表現します。　　

　　＜ディストリビューションのパターン＞

　４３３３　４４３２　４４４１
　５３３２　５４２２　５４３１　５４４０　５５２１　５５３０
　６３２２　６３３１　６４２１　６４３０　６５１１　６５２０　 ６６１０
　７２２２　７３２１　７３３０　７４１１　７４２０　７５１０　 ７６００
　８２２１　８３２０　８３１１　８４１０　８５００
　９２１１　９２２０　９３１０　９４００
　10１１１　10２１０　10３００
　11１１０　11２００
　12１００　
　13０００

　　左上の方ほど丸い（平坦な、バランスした）手を、右下の方ほど、荒れた（シェイプのよい）手を示します。ブリッジハンドは千差万別ですが、ディストリ ビューションはこの３９ 種類ですべてです。不思議ですよね。

　　頻繁にでてくるのは最初の左上の方だけなので、最初の９つくらい（５５３０まで）は、何度も唱えてぜひ覚えてください。５４？といえば２２， ３１，４０と出てくるようになればしめたもの。、自分とダミーが５枚、４枚のときに、即座にオポーネントは２−２、３−１、４−０ 　のどれかだ、とわかりますからね。

　　自分の手ぐらいは正確に思い出してくださいね。　

カウンティング・ゲーム！
　　慣れてきたら、プレイが１０トリック終わった段階で、残る３枚を予想するゲームをしてみましょう。残り３枚になったら、それぞれのカードを伏 せ、各自、紙に、自分とダミー以外の２人が持っているハンドを書き出します。

　　N　　　　　E　　　
S：ｘｘ　　　S：ｘ　　
H：ｘ　　　  H：−　　　　
D：−　　　　D：ｘ　　
C：−　　　  C：ｘ　　

　やはり コツは、各人がもともとどんな手をしていたか（ディストリ）を予想し、プレイの途中経過を思い出して、プレイ済みのカードを消去する方法です。
　さらにできるようになったら、AやK、６や７などのランクまで書き込むようにしても面白いでしょう。