マイケルズキュービッド

初めてのビッド
　マイケルズキュービッド　

一度に２つのスートを示せるオーバーコール方法（２スーターオーバーコール）の１つ、マイケルズキュービッドについて説明します。

　キュービッドとは

　オポーネントのビッドしたスートをビッドすることを、キュービッド（cuebid）と言います。オポーネントの１人が４枚以上持っているとわかったスートを切り札にしたいはずはないので、キュービッドは、強いとき、パートナーに情報を求めるとき、他によいビッドが見あたらないときに使います。
　パートナーがキュービッドをしたら、絶対にパスせず、自分のハンドを表現するビッドをします。

　ほかに、スラムトライのための、切り札スート以外のコントロールを示すためのビッドもキュービッドと呼びますが、これは別物と思ってください。

いろいろなキュービッド：

ダイレクトキュービッド	ＲＨＯ　　　あなた　　1Ｃ　　　　　２C	￢｜｜｜｜｜オポーネント｜スートをビッド｜｜｜｜」
レスポンダーのキュービッド	パートナー　　ＲＨＯ　　　あなた　　1Ｃ　　　　　　１Ｓ　　　　２Ｓ
パートナーがオーバーコールした後のキュービッド	ＬＨＯ　　　パートナー　　ＲＨＯ　　　あなた　　1Ｃ　　　　　１Ｓ　　　　　パス　　　　２Ｃ
スラムトライのためのキュービッド	あなた　　　ＬＨＯ　　　パートナー　　ＲＨＯ　　1Ｓ　　　　　パス　　　　３Ｓ　　　　　パス　　４Ｃ	Ａやボイド（コントロール）のあるスートをビッド

　ダイレクトキュービッド

　オポーネントのオープンに続いてすぐにキュービッドをするダイレクトキュービッドは、１９７０年代頃までは、１９点以上の非常に強いハンドを示す、という取り決めが普通でした。しかし、オポーネントがオープンした後でそのような強いハンドが来ることは滅多にないし、もし来たとしても、まずテイクアウトダブルをかけてから、あとで自分のスートをビッドするなどの方法で十分さばくことができます。
　
　そこで、このダイレクトキュービッドは別の意味に使うことができるようになり、２スーターオーバーコールにあててしまおうとして、考案されたのがマイケルズキュービッド (Michaels cuebid)です。

　メジャー（

と

）５-５以上を示すキュービッド 　　

　マイナーオープンに対するダイレクトキュービッドは、（

と

）のメジャー２スーター（５-５以上）を示すことにします。アンユージュアル２ＮＴがマイナー２スーターを示したのと反対です。

ＫＱ８７２Ａ10９６２Ｊ６５	ＲＨＯ　　　あなた　　1Ｃ　　　　　？　２Ｃ　と　オーバーコールします。マイケルズキュービッドです。
ＫＱ８７２Ｊ６Ａ10９６２５	ＲＨＯ　　　あなた　　1Ｃ　　　　　？　１Ｓ　と　オーバーコールします。マイケルズキュービッドは使えません。　　次の機会にをビッドします。
Ｊ６ＫＱ８７２Ａ10９６２５	ＲＨＯ　　　あなた　　1Ｃ　　　　　？　アンユージュアル２ＮＴオーバーコールをします。　ロウアーアンビッド２スーターにあてはまります。

　マイケルズキュービッドのメリット

　マイケルズキュービッドで２スーターオーバーコールをすると、レスポンダーは２の代へのレイズができません。１の代のメジャーもビッドできなくなり、オポーネントの意思疎通を妨害することができるのです。
　さらに、自分側は一度のビッドで２つのスートを示し、よい方のスートで２の代で安全に止まることができます。

Ｑ10６２８７ＡＪ５４Ｊ６２	パートナー　　ＲＨＯ　　　　あなた　　1Ｄ　　　　　　２Ｄ※　　　？？　　※マイケルズキュービッド　　２Ｄとレイズも、１Ｓのビッドもできません。パスです。
６２Ａ７５２Ｋ６ＫＱ８７２	パートナー　　ＲＨＯ　　　　あなた　　1Ｄ　　　　　　　２Ｄ※　　　？？　　※マイケルズキュービッド　　２Ｃとビッドできません。　　はオポーネントが５枚持っていますからビッドしても仕方なく、３Ｃです。　　パートナーはビッドに困るかもしれませんが・・・。

　パートナーがマイケルズキュービッドをしたら

　パートナーが相手のオープンしたスートをダイレクトキュービッドして、右手のオポーネントがパスしたら、絶対パスしてはいけません！どんなに弱くても、枚数の多い方のメジャースートを選んでビッドしてあげましょう。
　
　通常は２Ｈまたは２Ｓと枚数の多い方のスート２の代で選びますが、もし４枚以上のサポートがあるなら、ＬＯＴＴにしたがって、９枚でフィットで３の代、１０枚で４の代、１１枚で５の代にジャンプして、即座にオポーネントの妨害に貢献することもできます。
　
　パートナーはメジャーに１０枚以上を保障しているのですから、マイナースートには１，２枚しか持っていないことが普通です。自分のスートをビッドしてもその先はありませんので、ここはぐっとこらえましょう。

　逆に、３、４枚のサポートといくつかのＡを持っていれば、４メジャーやスラムがメイクできることも多いのです。何をビッドしてもパートナーは普通パスしますから、自分から判断をして積極的にビッドしましょう。

10７２Ｑ７ 10４３Ａ９６４３	ＬＨＯ　　パートナー　ＲＨＯ　　　あなた　　1Ｄ　　　　２Ｄ　　　　Ｐ　　　　　？　　２Ｓ　　と　長い方のメジャーを選びます。
Ｑ７Ｊ10９４３Ａ８６３７２	ＬＨＯ　　パートナー　ＲＨＯ　　　あなた　　1Ｄ　　　　２Ｄ　　　Ｐ　　　　　？　　相手にはのスーパーフィットがありそうです。　　あわせて１０枚のフィットが見えていますから、ＬＯＴＴにしたがって　　４Ｈ　と　ビッドして、オポーネントのビッドを妨害してしまいましょう！
Ｑ７Ｊ10４３Ａ２Ａ９６４３	ＬＨＯ　　パートナー　ＲＨＯ　　　あなた　　1Ｄ　　　　２Ｄ　　　　Ｐ　　　　　？　　パートナーのメジャー５－５ハンドとあわせれば、　　ルーザーはメジャーで１～２、マイナーで１つくらいになりそうです。　　４Ｈ　　と　ビッドしてしまいましょう。

　メジャーオープンに対するダイレクトキュービッド

　オポーネントがメジャースート（

）でオープンをしたあとにも、次のように拡張してマイケルズキュービッドを使うことができます。

　マイケルズキュービッドは、メジャー２スーターではなく、アッパー（高い方の）２スーターを示すとします。こうすると、マイナー（

）オープンに対しては

と

のメジャー２スーターであることは同じですが、メジャー（

）オープンに対しても、ダイレクトキュービッドは、

とビッドされていない方のメジャーの５-５以上の２スーターを示すことになります。

Ａ10９６２ＫＱ８７２５Ｋ６	ＲＨＯ　　　あなた　　1Ｓ　　　　　？　　マイケルズキュービッドは使いません。２Ｈです。
Ｊ６ＫＱ８７２Ａ10９６２５	ＲＨＯ　　　あなた　　1Ｓ　　　　　？　マイケルズキュービッドで２Ｓとビッドします。

　２Ｓのマイケルズキュービッドのあとは、パートナーは３の代でスートを選ぶことになります。

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