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教えて!ビリー
スラム
ビディング(1) -中級-
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ゲームがうまくビッドできるようになったら次はスラムボーナスを確実に手に入れたいですね。
ビリーさん、こんにちは。
先日近所のクラブへ私のブリッジの先生をお連れした時のこと。友達の女の子2人との対戦になりました。女の子 達のおしゃべりがようやく一段落し、3回パスが続いた後でした。パートナーはちらっとハンドを見ると7 (!!)をビッド。
オポーネント2人はどちらもAを1枚ずつ持っていたのでダブルをかけようか迷っていましたが、彼がプロ並にう まいのを知っていたので結局パスを選びました。
私が広げたのは悲しいかな1点のハンドです。でも彼はオープニングリードを見るとすぐにクレームしました。「
Jだけが知りたいカードだったんだけど、どっちみちビッドでチェックすることはできないからね」と言いながら。
私に1、2枚のハートは期待していたようですが、3枚とは予想外のボーナス。女の子達はボトムを確信したようでし
た。一人が口にした言葉は「そんなビッドする人、この部屋でほかにいないわ」。
そこで質問したいのは、「ビリーさんならどうビッドされますか?」
パートナーのハンド:
‐
AKQJ10976
AKQ43
‐
私のハンド:
642
832
J752
543
正直言って、僕はいままでのブリッジ人生でここまでパワフルなハンドを持ったことはまだありません。ですが、 パートナーの7 がすばらしいビッドであることの理由は2つ以上挙げることができます。
まず、お書きになっているように Jをビッドで確認する方法はない。それにこの手は、ダミーにハートが1枚もなくダイヤモンドが2枚だけだったとしても、7 のプレイがあります。しかし最大の理由は、あなたも含め誰もオープンしなかったこと、ウィーク2さえなかったことです。このことから残りの点が3人に均等 に分かれており、さらに残る3人の手がバランスしている(奇抜なディストリビューションにはなっていない)可能性が高いことがわかります。
推論すれば、グランドスラムはかなり有りそうだと結論づけることができます。というのは、バランスハンドで点 がぱらぱらとあるダミーが出てくる可能性が高いからです。実際あなたの手はほとんど0点でしたが、もしこの Jがなくても2つの赤いスーツの長さだけでこのスラムは十分過ぎるくらい確実だということを考えてみてください。それと、最終コントラクトが自分で分かっ たなら出し惜しみせずドンとビッドしなきゃいけません。
この先生なら信頼して大丈夫、腕は確かです。
(ACBLBulletin1999年2月号よりJCBLブリテン2000年3・4月号掲載)
自由にビッドしよう ビディングシステムを覚えてビッドするようになると、逆に自分の頭で考えることができなくなっていませんか?ブリッジは、型通り覚えるのが大事なお稽 古ごとではありません。たくさんのビッドの取り決めも、目的があってこそ、使って意味があるのです。教科書通りのビッドを心掛ける前に、自分の気持ちに素 直になってブリッジを楽しんでみてはいかがですか。 |
ビリーさん、こんにちは。
私たちはマイナーのスラムが作れるハンドで3NTをプレイしてしまうことがよくあります。この間の試合で はこんなことがありました。
ディーラ:South
双方バル
A5
A
AQJ32
KQ1065
973 +NN+
J1082
J85 W E
Q10763
1085 W E
64
J874 +SS+
A2
KQ64
K942
K97
93
West North East South
Pass
Pass 1
Pass 1
Pass 3
Pass 3NT
AllPass
Northは3NTに対して4
とはビッドできませんでした。どうすればよかったのでしょうか。
1
−1
−3
と来た時点で、Southの手は2スーターのゲームフォーシングのハンドに向かい合って3NTとサインオフするにはあまりにも良すぎます。ここでは3
とサポートを示せばよかったのです。
それに対しNorthは3
とキュービッドするでしょう。次にSouthは3NTとビッドしますが、Northは4
とビッドしてもう一度スラムトライします。Southは4
とキュービッドを返すことができ、それでNorthは6
に進めます。
Northの手はダイヤモンドのフィットがわからなければそこまでパワフルではありませんが、フィットが わかればスラムトライできるハンドです。
(ACBLBulletin2000年4月号よりJCBLブリテン2001年1・2月号掲載)
「ジャンプ=強い」が成り立たない場合 オークション中、パートナーのビッドに対してジャンプしてビッドを返すのは、普通「強さ」を示します。レスポンダーのジャンプシフト、オープナーの ジャンプリビッド、ジャンプシフト、2NT・3NTへのジャンプ等は皆そうです。ところがジャンプしないことがかえって余裕を示す場合があります。 それはゲームフォーシングがかかっているとき。パートナー間でゲームフォーシングのビッドがあった後は、ジャンプしてゲームをビッドすることはパート ナーをシャットアウトすることにもなり、それまでに示した以上の強さはないことを示します。逆にこの手紙に対する回答のように、そっとサポートを返す方が パートナーもビッドを続けやすく、強さに余裕がありスラムも狙える可能性を示すのです。 |
ビリーさん、こんにちは。
このハンドについて教えて下さい。
North K3 AQ974 AK4 853 |
South AJ103 KJ10 32 AQJ2 |
(1)トランスファー。
SouthにはNorthの5 の意味がわからず5 。Northとしては、ハートフィットが確認できればスラムの可能性があると考えたキュービッドのつもりでした。ローマンキーカードブラックウッドでは Southのキーカード(訳注:各スートのAとトランプK)が2枚だった場合困るので、ダイヤモンドをキュービッドして黒いスーツが弱いことを示す方がよ いと思ったのです。
質問:Northは、Southの4
のあとすぐにスモールスラムをビッドするか、クラブがぼろ3枚でもRKCB(訳注:=ローマンキーカードブラックウッド)を使った方がよかったのでしょう
か?それとも、Southが5
のキュービッドの後スラムビディングを続けなかったのが悪いのでしょうか?
あと一歩足りなかったあなたへ、
私の想像ですが、あなたはNorthなんですね?お手紙中の質問、考察ともほとんど正しく、また論理的で
す。スラムトライをする際、注意深くRKCBではなく5
のキュービッドを選んだのはまさしく賢明。
そしてパートナーから6
が返ってきて大成功!となるはずでした。Southの方がもう少し5
の意味についてよく考えてくれていれば…。残念でしたね。
しかしながら、よい16HCPとよい5枚スートを持っていた、あ・な・た、がまず着実にするべきだったこ とがあります。最初のトランスファーのすぐ後でスラムインビテーションをすべきでした。3NTでは非常にアンダービッドです。
ジャコビートランスファーに続いての4NT(クオンティテイティブ、訳注:AアスキングではなくHCPを 示す)は教科書通りのビッドで、このハンドの通りの強さと形を表すものです。そういうオークションだったなら、Southがスラムをビッドしない理由は何 もありません。よい3枚ハートとラフィングバリュー、キーカードも3枚あるのでスラムは明らかでしょう。
あなたの方法でも沈没しかけた船を救うことはできたと思いますが、最初のミスについて多少の責任はあるで しょうね。そもそもこのミスがなければ転覆事故自体起きなかったんですから。
最初のビッドでそのディールのトーンは決まってしまう。はじめから正確にビッドしておけば、後から追いつ
こうとしたり減速しようとして失敗することもありません。
次回からは気をつけましょう。
(ACBLBulletin1998年8月号よりJCBLブリテン1999年9・10月号掲載)
トランスファー パートナーが1NTでオープンした後で使う取り決めの1つに「トランスファー」というものがあります。英語は、"transfer"。電車からバスへ の乗り換えなんてときに使う単語ですよね。ブリッジでのトランスファーは、ディクレアラーをパートナーに移し変えるって感じかな。とにかく、レスポンダー は自分の持っているスート(スペードまたはハート)の1つ下のランクのスートをビッドして、そのスートをパートナーに言わせる。そうすると、パートナーが ディクレアラーになるって寸法です。 わざわざなんのためにそんなことを?それは、15‐17点(または16‐18点)も持ってる1NTオープナーの手をディフェンダーから隠せるからと か、レスポンダーが少ないビッディングスペースで2回ビッドできてよいからとか、そんな理由です。 |
ビリーさん、こんにちは。
このハンド、どうビッドしたらよかったのかパートナーと話し合っています。
教えてください。
AQ10543 4 104 AKJ2 |
62 A65 AKQJ Q973 |
North
South
1NT
2
(1) 2
3
3NT
4
(2) 4
4NT(3)
Pass
(1)スペードへのトランスファー。
(2)これはガーバーになりますか?
(3)スペード合意のブラックウッドになりますか?
ジャコビートランスファーの後レスポンダ−が3の代のニュースートをビッドするのはナチュラルで(訳注: そのスートでプレイする意思のあること)通常はゲームフォーシングです。私が1NTオープナーだったとしてリビッドの仕方を説明しましょう。
1.パートナーのメジャーに3枚以上あれば3の代でそれをサポートする。これによってキーカードブラックウッドを使う場合のスートが確定しま す。
2.メジャーにサポートがなくマイナーのスラムにも興味がない場合、他の2スーツにストッパーがあるなら3NTをビッドします。
3.アンビッドスーツをキュービッドする。これはパートナーのマイナースートにサポートがあるか、または残る4thスートにストッパーがなく 3NTをビッドできない場合です。ポイントは、このキュービッドはメジャーのサポートがある時は絶対に行わない点です。ちょっとこう取り決めることで、 「トランプはどちらのスートか」という言い古された問題の答えがはっきりします。
以上を前提に考えれば、Southは3NTではなく3 とキュービッドするべきでした。最重要なカードをすべて持ち、クラブに4枚のサポートがある。上の取り決めがあれば、パートナーはこれがスペードサポート によるキュービッドではないことを分かってくれます。
また、3 というナチュラルなビッドの後では4 はガーバーにはなりえません。ガーバーになるのは、ほとんど、ノートランプビッドの直後の4 へのジャンプだけです。ですから4NTがスペード合意のブラックウッドになります。
最後のSouthのパスについてですが、こんなよい指針があります―「(フォーシングかどうか)疑わしき はパスせず」。4NTにはこの基準でレスポンスするのです。この場合はきっと6 をビッドするんでしょう。パートナーは強くてスラムに行きたい手を持っているに違いありませんから。
不確かな取り決めの下では非常に事故が起こりやすい。人間の判断力は決して完ぺきではありませんが、前 もってうまく取り決めをしておくことで多くの事故は防ぐことができるのです。
(ACBLBulletin1999年1月号よりJCBLブリテン2000年3・4月号掲載)
ナチュラル、アーティフィシャル ブリッジ用語に「ナチュラル」というのがあります。普通は「自然な」という意味ですよね。正確には、ビッドしたスートでプレイする意思があること、を 言います。だから、自分の手に多く持っているスートのビッドや、パートナーが1度ビッドしたスートをレイズするなどのたいていのビッドはナチュラルです。 それに対してナチュラルでないことを「アーティフィシャル」と言います。「人工的」という意味です。トランスファーのビッドや、そのスートでプレイす る意思とは関係ない何らかの取り決めを伝えるためのビッド(ブラックウッドなど)はアーティフィシャルです。 |
スラムへの指針 お互いにとくに短いスートや長いスートのない4432型程度の手を持っているとき、6NTをメイクするにはHCPが33点、7NTには37点、必要だ と言われています。パートナーが1NTや2NTでオープンしたときや、リビッドで1NTや2NTをビッドしたときなんかは、この合計点の指針でコントラク トを決めるときです。 一方、激しく偏った手の場合は、フィットの枚数が多ければその分ラフによるトリックが生み出され、絵札の点数は26,7点くらいでも、切り札のあるス ラムが確実ということがあります。ですから、パートナースートに4枚以上のサポートがある手では、点数にとらわれすぎないで、果敢にスラムトライした方が よいのです。 |
ビリーさん、こんにちは。
RenoでのNABCで、私たちはNorth-Southに座っていてこんな手がきました。
ディーラー:S N−Sバル |
A6 AJ9432 A752 A |
|
742 KQ Q103 96432 |
+NN+ W E W E +SS+ |
9 65 KJ9864 Q875 |
KQJ10853 1087 − KJ10 |
私たちのオークションは、不毛な1
−3
;4
−Passで、6メイク。6
でもメイクしたでしょう。私たちは中級プレイヤーですがスラムビッディングはとても下手なんです。
このディールは本当にビッドが難しいように思います。なのに−200の試合で12ペア中5ペアもスラムをビッド&メ
イクしていたのには驚きました。
まず、進んで自分の弱い点を認めることができるあなたはすばらしい。自分の弱い点を認めることができない と、しばしばそれが高じて全く学習し成長することができなくなるものです。問題があること自体に気付かなければ問題点を正すことは不可能だからです。
あなた方のオークションは3 が失敗でした。エキスパートは、強い1スーターまたは強い2スーター(うち1つはパートナースートであること)でしかストロングジャンプシフトは行わない 傾向にあります。
この場合ハートの内容が貧弱なので、Northは「一度で全部を」示すジャンプシフトはやめ、ゆっくりと
2
にとどめた方がよかった。それでハートをレイズしてもらったら、Southが本当にハートサポートを持っていることが分かりますから。
1
−2
;3
(もし3
がフォーシングでないなら4
もありえる)となったあとは、Northが主導権をとってスラムにいけると思います。
Northは3 とビッドしてパートナーがそれをゲームにレイズしただけだった時、ちょっと痛い所をつかれた気分だったんでしょうね。ハートがソリッド(訳注: AKQJ98など)でないのでビッドを続けるのがためらわれたんでしょう。でも、それでも、このエースの大軍、うち一つはシングルトンA、さらにキーカー ドの Aも持っているのですから、もう1度ビッドしてもよかったですね。
頑張って勉強を続けてください。きっと報われる日が来ますよ。
(ACBLBulletin1998年6月号よりJCBLブリテン1999年5・6月号掲載)
−200 今、日本でブリッジをプレイする人々は、ほとんどがデュプリケートブリッジの試合に出てブリッジを楽しむ人々なのではないでしょうか。試合というの は、JCBL(日本コントラクトブリッジ連盟)などが主催して行うもので、毎日のようにどこかで開かれており、大きいものには、「朝日新聞社杯」とか「高 松宮杯」という名前がついていたりします。 試合で入賞するとマスターポイントという点数がたまり、ブリッジの腕を計る1つの尺度となっています。日本ではマスターポイントが約300から500 点で、将棋でいう初段程度の腕といわれています。試合はたくさん開催されていますが、マスタ!<ポイントが何点以下の人だけと定められた試合がほと んどです。「−5」(5点以下)から「−1500」(1500点以下)なんてものまでさまざま。自分にあった試合を見つけられるってわけです。 |
ビリーさん、こんにちは。
このハンドについて教えて下さい。
West K42 A106 A10743 86 |
East AJ10983 8 K2 AKJ3 |
West East
1
2
3
4
Pass
私はEastです。Westは、私の3 の後キュービッドを始めるか、ブラックウッド(キーカードブラックウッドは全く使っていません)を使うかすればよかったんじゃないかと思うんです。彼女は Kと A106なんて持っているし、もしこれがスモールスペードと QJxでも同じビッドをすると思うからです。
裏テーブルでは、1
−2
;3
−4
;4NT−5
;6
というビッド展開になっていましたが、こちらの方がよいビッドでしょうか。それとも他にもっとよいシークエンスがあるんでしょうか?
灯台下暗しさんへ、
簡単に言ってしまえば、僕は裏テーブルのオークションがよいと思います。あなたの3 ジャンプリビッドはワンルーザーかソリッド(訳注:AKQJxxなど)の非常に良いスートを示すものです。このオークションでのWestの4 レイズはもっと少ない枚数で内容も悪いスペードサポートの可能性もあり、ぼろダブルトンかアナーダブルトン、もしかするとアナーシングルトンかもしれな い。
一方、裏テーブルの3 リビッドはビディングスペースを残しているため、Westが4 へジャンプして真のスペードサポートを示すことができています。それがわかったのでEastからブラックウッドを使えたわけです。さらにEastの手には すべてのアンビッドスーツのファーストあるいはセカンドラウンドのコントロール(訳注:ファーストはAまたはボイド、セカンドはKまたはシングルトン)が あり、ブラックウッドを使うのに適切なハンドである点にも注目してください。
ブリッジの問題では、実は灯台下暗しだったということがあるものです。
(ACBLBulletin1999年11月号よりJCBLブリテン2000年9・10月号掲載)
ブラックウッドじゃだめ? スラムを目指すビッドとして一番始めに覚えるコンベンションが4NTによるエースアスキング(ブラックウッド)でしょう。でも安易に「4NT」とビッ ドする前に、一呼吸おいてよく考えてみて。「パートナーの返事が何枚だったらスラムに行くつもりなのか?」 考えてみると、実はAの枚数がわかっても結論が出ない場合ってあるんですよね。例えばこの手紙のWestの手のように、AもK
もないダブルトンがあるとき。これって、そのスートにパートナーのAがあるとわからければスラムはビッドできませんよね(先に2つとられたらスラムは終わ
りですもんね)。だから、どのスートにAがあるのかわからないブラックウッドじゃ答えが出せない。ほかに、ボイドがあるときなんかもブラックウッドでは結
論が出せません。 |
ビリーさん、こんにちは。
この話、きっと気に入られると思います。2週間前の試合でのことです。ディーラーはNorth、私は Westでこんな手が来たんです。
− K2 AKQJ10732 AKJ
Northがウィーク2 でオープンし、パートナーが2 でオーバーコール!East(訳注:Southの間違いと思われる)はパス。私は4NTをビッドすることを考えました。もしエースが1枚という返事だった ら、パートナーがこのダイヤモンドコントラクトのディクレアラーになってしまって私の Kダブルトンに向けてオープニングリードが来ることは間違いなさそう…でももしエースが2枚あれば7NTがあるんです。
この2つを天秤に掛けて考えた末、私は運を天にまかせて4NTをビッドしました。パートナの返事は5
…凍りつきましたよ。私がディクレアラーになるんなら絶対6
なんですが、逆側が買うのなら5
がぎりぎりでしょう。パスです。他テーブルの結果を見ると、全員6
をメイクしていました。
コメントをお願いします。
○×式に評価していきましょう。前もってブラックウッド(訳注:4NTでエースの枚数を尋ねるコンベン ション)を使った場合の小さな欠陥を予見できたのは○。しかし、そこで先に3 とビッドして(エキスパートの常識では100%フォーシング)この問題を回避できなかったのが×。パートナーの2の代のオーバーコールに対して3の代の ニュースートをビッドするのは、どんなシステムのもとでもフォーシングになるはずです。
パートナーに2枚エースがある場合に確実なグランドスラムをビッドできるチャンスをあきらめなかったのは ○。しかし、5 の返事に対し解決策を考え出せなかったのが×。解決法?6NTですよ。パートナーの2 オーバーコールを信じるなら、エースが1枚とわかった以上、最低でも Kか Qのどちらか1枚はパートナーにあるはずですから。
この手紙でわかるように、ブリッジでは思わぬ落とし穴に落ちることがあるんですね。もしかすると危険な罠 はすぐそばにあるかもしれませんよ。でも頭を働かせてよい抜け道を探せば、たいていの罠は避けて通れるということを忘れないでください。
(ACBLBulletin1999年4月号よりJCBLブリテン2000年5・6月号掲載)
どっちがディクレアラーに? この手紙のハンドのように、オポーネントのスートを"K2"などの形で持っている場合、自分がディクレアラーになってオープニングリードを受ければ、 そのスートですぐに2トリックとられることはありません。しかし、もしダミーになれば、右側のオポーネントがそのスートのAを持っていない限り(そして正 しくKをプレイしない限り)、すぐに2トリック取られてしまいます。そうなるとスラムはダウンです。 上級者はこのように、どっちがコントラクトのディクレアラーになる(このことをコントラクトを「買う」と表現します)ほうが得策かをオークションの段 階で考えながらビッドしています。 |