オークション篇その２−Bidding Tips−

コントラクトの省略形

オークションのとき「ハートを切り札にして……」などと何回もいうのは面倒ですよね。実は、ブリッジをする人は普通、コントラクトを表すのに １Ｈ（ワンハート）とか、２Ｄ（ツーダイヤ）、 ３ＮＴ（スリーノートランプ）６Ｓ（シックススペード）、 ７Ｃ（セブンクラブ）といった省略形を使っているのです。

　　これは、１から７までの数と、スペード、ハート、ダイヤモンド、クラブ、そしてノートランプという言葉 とを組み合わせたものです。

＜コントラクト一覧表＞

切り札＼トリック数	７	８	９	１０	１１	１２	１３
クラブ	１ (ワンクラブ)	２ (ツークラブ)	３ (スリークラブ)	４ (フォークラブ)	５ (ファイブクラブ)	６ (シックスクラブ)	７ (セブンクラブ)
ダイヤモンド	１ (ワンダイヤ)	２ (ツーダイヤ)	３ (スリーダイヤ)	４ (フォーダイヤ)	５ (ファイブダイヤ)	６ (シックスダイヤ)	７ (セブンダイヤ)
ハート	１ (ワンハート)	２ (ツーハート)	３ (スリーハート)	４ (フォーハート)	５ (ファイブハート)	６ (シックスハート)	７ (セブンハート)
スペード	１ (ワンスペード)	２ (ツースペード)	３ (スリースペード)	４ (フォースペード)	５ (ファイブスペード)	６ (シックススペード)	７ (セブンスペード)
ノートランプ (切り札なし)	１ＮＴ (ワンノートランプ)	２ＮＴ (ツーノートランプ)	３ＮＴ (スリーノートランプ)	４ＮＴ (フォーノートランプ)	５ＮＴ (ファイブノートランプ)	６ＮＴ (シックスノートランプ)	７ＮＴ (セブンノートランプ)

 
 

記号の意味

１から７の数は宣言するトリック数から６を引いたもの です。宣言するトリック数が６トリック以下のコントラクトは、相手側の方が多くとるということになるので、 ありません。

トリック数を表す数字の後に、切り札にするスーツ（またはノートランプ） を続けます。書く時はマーク（ 、 、 、 、ＮＴ）または頭文字のアルファべット（Ｃ、Ｄ、Ｈ、Ｓ、ＮＴ）で表します。上の表を見てください。例えば、「ワンスペード」と言えば、「スペードを切り札にして（私たちが）７トリックとる」という意味になります。

 

省略形でビッドしよう

省略形を使ったオークションの例です。

＜オークション　　　　　　　　　　　と　　　　　　　　　　心のうち　＞　　　　　　　　　　

私	：１Ｈ（ワンハート）	……ハートを切り札にして、７トリックとれそう。
左の人	：１Ｓ（ワンスペード）	……こちらはスペードを切り札にして、７トリック。
パートナー	：３Ｈ（スリーハート）	……切り札はパートナーに賛成。９トリックいけそう。
右の人	：３Ｓ（スリースペード）	……僕らも負けないぞ。スペードで９トリックだ！
私	：Ｐａｓｓ（パス）	……これ以上は無理でしょう。
左の人	：Ｐａｓｓ（パス）	……よし、こちらのコントラクトになりそうだ。
パートナー	：４Ｈ（フォーハート）	……そうはさせないわ、ハートで１０トリック！
右の人	：Ｐａｓｓ（パス）	……うーん、まいった。
私	：Ｐａｓｓ（パス）	……本当に出来るのかしら。
左の人	：Ｐａｓｓ（パス）	……作らせるもんか！
		（終わり）

　このオークションでは、ディクレアラーが「私」でコントラクトは４Ｈ（フォーハート）に決まりました。つまり「私」はダミーのパートナーの手とあわせて、ハートを切り札にして１０トリックとると言う契約です。

　　それではここで、もう一度カードを配って、今度は省略形でビッドしてみてください。最初はわかりにくいかもしれませんが、慣れてくると便利なものですよ。それにこの 省略形を使うと後で得点計算をするときに便利です。

ダブルの記号

ダブルをＸの記号で表すこともあります。また、Dblとも表記します。４Ｈダブルというコントラクトを書く時は ４ＨxのようにＸをくっつけて表します。

ダブルを言うことをダブルをかける とも言います。

リダブル(Redouble)の記号

　　リダブルはＸＸ と書いたり、Redblと書いたりもします。４Ｈリダブルというコントラクトは４Ｈxx と書きます。

どのスーツをビッドする？

　　どのスーツをビッドするか、つまり、どのスーツを切り札（トランプ）にするか。オークションではそれが問題です。切り札はとても強いカードですから、自分の手の中にたくさん持っているスーツが切り札になる方が得です。ですから、 まずは自分の手の中で多いスーツをビッドしてみましょう。

　　でも、１人よがりに考えていては失敗します。プレイの時には自分とパートナーの２人で協力するのですから、最終的にパートナーと合わせて一番多く持っているスーツが切り札になるのがよいのです。ですから、 パートナーがビッドしているスーツに賛成するのもよいことです。

 

ノートランプがよい時

　　自分の手に特に枚数の多いスーツがないようなときや、パートナーのビッドしたスーツが自分には少ないようなとき 、ノートランプ（切り札なし）をビッドするとよいでしょう。ノートランプは、切り札で切ることが出来ないので、プレイが難しいかも知れませんが、とても枚数の少ない切札でプレイするのよりはましです。

 

強い手、弱い手

　　オークションでもう一つ問題になるのは、どこまで高くビッドしてよいのか？パスしてオポーネントにコントラクトを売り渡したほうがよいのかどうか？という判断です。

　　基本的には 強い手ではどんどんビッドし、弱い手ではパスしたほうがよいのですが、強い手、弱い手とはどんな手でしょう？簡単な基準を挙げると、ＡやＫの多い手、または特別枚数の多いスーツのある手、は強い手です。反対にＡやＫなどの絵札が一枚もないような手は弱い手です。

＜　　強い手　　＞ ＡＫＱ10７３２ ２ Ａ４ ＫＪ８

＜　　弱い手　　＞ ９６３ ７４２ ６５４２ Ｊ８７

得点によってビッドを決める

　　ブリッジでは、コントラクトを達成できれば得点、できなければ失点ですが、それだけではありません。実は、高いコントラクトを作ると高いボーナス点がつくように決まっているのです。ですから、オークションで どのようにビッドまたはパスするのがよいのかは、点数の付け方を知るともっとはっきりしてきます。

ネットブリッジにチャレンジ！

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