初めてのビッド
 レスポンダーのリビッド(3)


レスポンダーの2度目のビッドのしかたについて、とくにゲームの可能性がある場合の対処法を詳しく説明します。


  4メジャー>3NT>5マイナーの順に探す 

 点数的にはゲームにいける強さがあるとき、どのゲームコントラクトをビッドするとよいのでしょうか。 ビッドの目的 に書いたように基本的に次の優先順位で探します。

1.4Hまたは4S (420点または620点…バルによる)

2.3NT      (400点または600)

3.5Cまたは5D (400点または600点)

 8枚以上のフィットがあれば、4メジャーの方が3NTより安全、マイナーはフィットがあっても、5マイナーより3NTが安全です。とくに、 5マイナーと3NTとでは、トリック数は2つも違うのにメイクしたときの得点は全く同じですから、3NTの方がかなりお得なので す。


 メジャースートがフィット(8枚以上)したら

 すぐにフィットしたメ ジャーを切り札に決定します。
 2人あわせて26点以上が確実な ら、4Hまたは4Sをビッドします。切り札以外のサイドスートに0枚や1枚のスートを持っているときはその分を加点して 構いません。詳しくはハンドの評価のページ

 26点の可能性があるインビテーションの強さでは、3Hまたは3Sをビッドしてお誘いをかけます。
 

S KQ973
H 53
D QT82
C A7
パートナー     自分       
1H       1S 
2S ※1    3S ※2
4S ※3

※ ハート5枚、スペード4枚、 ミニマムオープン(12〜15点)。

 ・ 切り札? スペードはあわせて9枚以上 → 切り札はスペードに決定!

 ・ 強さは? レングスポイントの1点を加点し、この手は12点の評価。
         合計点数はあわせて24−27点。 26点の可能性があ る。

※2 4Sへのインビテーション(お誘い)。 (ここで3Dとビッドする誘い方もあります)

※3 オープナーは、すでに示したミニマムオープン(12−15点)のうちでも強いとき(14−15)、誘いに乗ります。

 メジャーのフィットがない とわかったら

 オープナーの2度目のビッドを聞いて、メジャーのフィットはないと思ったら、 切り札はNTに決定します。
 2 人合わせて26HCP以上が確実なら3NTをビッドしましょう。アンバランスでも構いません。

 26HCPの可能性があるインビテーションの強さで は、 2NTをビッドしてお誘いをかけます。
 

S KQ93
H 53
D QT82
C A75 
パートナー    自分       
1H       1S 
1NT ※1   2NT ※2
3NT ※3

※1 ミニマムバランスハンド 13−15HCP。スペードは3枚以下。

 ・ 切り札? スペードフィットがないことが確認できた。NTに決定!

 ・ 強さは? 自分は11HCPなので、合計点は24− 26HCP。
         26HCPの可能性がある。


※2 3NTへのインビテーション(お誘い)

    もしクラブがぼろ2枚だったり、ダイヤモンドが実は5枚あったとしても2NTで構いません。
    目標は3NT以外にないからです。
    ここで2Dとか3Dとビッドするのは、スペードを5枚持っていて、4Sを目指している場合だけです。

※3 すでに示した13−15HCPのうち、よい14HCPまたは15HCPあれば誘いに乗って3NTをビッドします。


マイナースートがフィット(8枚以上)した場合

 マイナーがフィットしても、5の代のマイナーゲームを作るのは厳しいので、切り札はNTに決めます
 2人合わせて26HCPあ れば、すぐに3NTをビッドしてしまいましょう

 26HCPの可能性があるイ ンビテーションの強さで2NTを超えてしまっている場合は、自分のストッパー(4枚か、または絵札が数枚あるスート)をビッドしながら3NTをめざしま す。ストッ パーがそろえば、3NTがよいチャンスです。
 

S 75
H 53
D AQT8
C KQ975
パートナー   自分       
 1H      2C 
 3C ※    3D ※2
3NT ※3

※  ハート5枚以上、クラブ4枚以上、ミニマムオープン(12−15点)。

・ 切り札? クラブが9枚フィッ したが、マイナーなのでとりあえずNTに決定。

・ 強さは? 合計HCPはあわせて23−26HCP。26HCPの可能性があ る。 
         29点が目安の5Cは無理そう。

※2  ダイヤストッパーを示しながら3NTに誘っています。 (注意: ゲームフォーシングの強さの場合でも、同じビッドをすることがあります)

※3 オープナーは、スペードにストッパーがあれば3NTをビッド。
    スペードにストッパーがなければ3Hや4Cをビッドします(終わりにします)。

    オープナーは、強さは十分あるが、スペードのストッパーが少し不安なときには3Sと言いましょう。(レスポンダーにスペードストッパーがあ れば 3NTをビッドします。)

 レスポンダーは、もしオープナースート以外にすべてストッパーのある11− 12HCPバランスハンドであれば、はじめから 2Cではなく2NTとレスポンスしておくほうが簡単です。

S A75
H 53
D QT82
C KQ95
パートナー   自分       
 1H     2NT※
 3NT ※

※ 11−12 バランスハンド、3NTへのお誘い。
※2  ミニマムオープンのなかでも強い方(14−15)なので、誘いに乗った。

  メジャーのフィットがあるかもしれないとき 

 とりあえず切り札はNTに決め、 26HCP見えたら、3NTをビッドしてしまいましょう。結果的に8枚のメジャーフィットがあって3NTをプレイすることになっても構いま せん。
 26HCPの可能性がある場合 は、2NTでインビテーションします。
 

S KQ973
H
D QT82
C A75  
パートナー     自分       
 1H      1S 
1NT ※1   2NT ※2
 3S ※3    4S ※4

※1 ミニマムバランスハンド 13−15HCP

・ 切り札? ハートもスペードもフィットが確認できないので、とりあえず NTに決定!

・ 強さは? レングスポイントの1点を加点し、この手は12点の評価。
        2人の合計点数はあわせて25−27点になり、26点の可能性があ る。 
         
※2 3NTへのお誘いです。
   (注:ニューマイナーフォーシングの取り決めがあれば、2Dのほうがおすすめ。)

※3  最初に2Sとレイズしていないので、ここでの 3Sはちょうど3枚のスペードを示します。ただし、1NTと言った13−15のなかで弱い方ならスペード3枚は示さず、2NTをパスしましょう(パート ナーは5枚スペードを持っているとは限りません)

※4 3Sでスペードフィットが見つかったので、がぜん元気が出ます。スペードの5枚目と、ハートシングルトンに1点ずつ評価し、13点のオープン ハンドになりました。パートナーもミニマムのなかではよいハンドのようですし、もちろん4Sです。


オポーネントがビッドした後で3NTにいくとき

 オポーネントのオーバーコールなどのあとで3NTをねらう展開になった場合は、味方が オポーネントスートにストッパーがある(2枚以上のアナー、または4枚以上ある)ことを確認するようにしましょう。でないと、 オポーネントに長いスートをたくさんとられてダウンする可能性が高いです。

 自分がストッパーを持っていないときは、2NTや3NTをビッドせずに、オポーネントのスートをビッド(キュービッド)して、パートナーにストッ パーの有無についてうかがいをたてる、というわ ざもあります。パートナーは、ストッパーを持っていればNTを、持っていなければ他のコントラクトをビッドしてあげます。



ゲームは半分メイクできればOK

 ビッドしたゲームコントラクト(3NTや4H,4Sなど)が全部メイクする必要はありません。半分メイクできればよいのです。プレイの腕とは関係 なく、オポーネントの手によって作れる場合と作れない場合とがあるのです。それは実際にやってみないとわかりません。 がんがんゲームをビッドしましょう。その方が、いつもゲーム手前で止まってしまうより、高得点が取れます。また、ダウンしたからと いって落ち込む必要は全くありません。

スラムはまだまだ

 初心者のうちはスラムをビッドするのは難しいので、とりあえずスラムのことは忘れましょう。ゲー ムを効率よくビッド できれば十分です。
 


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